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★ぴあサポメルマガ1月号★レポートで問いを立てるのはなぜ大切なのか?

2021/01/16 (Sat) 10:49
☆★☆―――――――――――――――
レポートで問いを立てるのはなぜ大切なのか?
―――――★ぴあサポメルマガ1月号★

レポートや研究は、自分で問いを立て、それについて主張を展開し、論証していくものである。そのため、問いをどう立てるかが研究やレポートの肝になる。では、人文系のレポートや論文の執筆で、どのように問いを設定すればいいのだろうか。

問いの立て方というメタ的な部分のレッスンを受けられることはまれである。問いの立て方は、個々人の感性や、周りに親身に相談に乗ったり話を聞いてくれる先輩や同志がいるかに依存している。

このメルマガでは、人文系のレポート執筆で問いを立てることの重要性と、いい問いを立てる方法を考察する。この文章を批判的に読解し、踏み台とすることで、自らの見解を育んでほしい。
 
実際のレポートや論文の執筆の際には巻末の参考文献を参照にしたり、研究室の先輩や指導教官等に聞くのが望ましい。このメルマガは、人的資本がなく、身近な人に聞こうに聞けない人向けに書いている。

■目次■
1.レポートを構成するものは何か
2.問いは何故大事か
3.問いを上手く設定するには
4.自分の問いを立てるには


◇◆◇―――――――――
1.レポートを構成するものとは何か
―――――――――◆◇◆
 
レポートは、あるテーマに対する問い、主張、論証によって構成されている。
 
テーマとはそのレポートを書く対象となる分野や領域である。授業のレポートの場合、テーマは教員によって設定されていることが多い。哲学であったらサルトルの思想だとか。また、人文系の卒論などでは、太宰治の『走れメロス』をもとに論文を書くなどテキストを決めてから論文に取り組むことも多い。この場合、そのテキストがある種テーマとなる。
 
問いとは、そのテーマに関連し、自分が解決したり、何かの主張をするために設定する問題である。例えば、自由とは何かである。この時、立てた問いが、テキストないしテーマと一見関係ないようであっても良い。『走れメロス』は、一般的に友情や信頼の物語と受け取られているが、そのように論じなくていい。走っている時のメロスの精神状態に注目して、精神と肉体の関係について問うてもいい。卒論の場合は指導教官に要相談であるが。
 
主張とは問いに対する自分の答えだ。例えば、自由とはなにか―それは人が主体的に人生を歩んでいくことである、など。慣れないうちによくあるのは、論を進めるうちに議論が膨れ上がり、最初自分が打ち出した問いと主張がズレてしまうことである。いつのまにか、自由を論じていたのに関心が責任に移り、責任について論じていたなど。そのため、実際の論文執筆ではアウトラインから作成する必要がある。それについては戸田山(2002)を参照してほしい。
 
論証とは、主張に対する根拠づけだ。自分の自由についての主張をサルトルの自由論によって擁護し、さらにサルトルの自由論をその批判から擁護することで反対意見への反論を行うなど。論証の進め方は、各分野によっても違うだろうから、各分野の方法論を学んでほしい。
 
このように、レポートはあるテーマと問い、主張、論証から構成されている。


◇◆◇―――――――
2.~問いは何故大切か~
―――――――◆◇◆

問いは論文の大枠と方向を決める。自分が論じたいテーマを明確にすることで、レポートで書くべき内容の大枠が決まる。そのため、前述のレポートの4要素の中でも問いの設定がレポートのカギになると私は考える。

テーマを決める際には、自分の問いを明確にしなければならない。例えば、漠然と人種差別について問いたいと思ったとしよう。歴史学、ジェンダー論、社会学、哲学、倫理学、どの分野でも人種差別については問える。自分の問いが人種差別の是非だ、と問いを明確にできれば、テーマは倫理学や哲学だと絞れる。絞れたら各分野での先行研究などを当たればよい。問いを絞り、テーマも限定できれば、読むべき資料もはっきりするはずだ。逆に自分の問いが曖昧だと、自分が考えるべき問題も明確にならない。

問いを明確にすることで、自分の主張も一貫性のあるものにできる。先に論じたテーマに対して主張がずれている場合、大抵は問いが明確になっていない。自分が何を考えたいのか、そもそも明確ではないのに、何かを考え主張するのは難しい。例えば、母親に晩御飯何がいい、と聞かれて曖昧な応答をしてしまうことが私にはよくあった。この場合も、肉料理と魚料理のどちらがよいのか、ラーメンかカレーかなど具体的な問いであれば答えるのが容易である。このように、問いが明確なほど、何かについて主張するのは容易である。

他面、学術的な文章の場合は、自分が設定した問いに対して、知識がなく何も主張できない、ということがままある。というかそれが普通である。この場合も問いが明確になっていると自分の主張を展開するための適切な参考文献や資料を探すのも容易になる。料理のための材料を探すのをイメージしよう。夕食のメニューが何も決まっていない場合、中華か和食と決まっている場合、中華と決まっている場合、餃子と決まっている場合。問いが限定されていれば限定されているほど、自分が買うべき食材が明確になるのが分かるだろう。

問いを明確にすることで、読むべき文献も整理でき、そこから自分の主張を引き出せる。逆に自分に参考文献や資料が決まっていても、自分が何を問い述べたいのか明確でないと、主張は展開できない。例えば、冷蔵庫に豚肉と白菜があったとしても、食べたいものが決まっていないと、調理方法や他に買いたす材料は決められない。


◇◆◇――――――――
3.どのような問いが望ましいか
――――――――◆◇◆

いい問いとは何かわかっていれば今頃一流大学院生になっている。そこで、私自身や他の学者の経験から反省的に学ぶことにしよう。

問いは客観的で理解可能なものでなければならない。私は卒論の構想発表で、ある哲学者の思想を論じようとした。しかし、当時ある文学者の考えに毒されていたせいで、かなり独特な問いを立ててしまった。構想発表では、自分の問いを含む発表自体が理解してもらえなかった。かなり残念なやつと見られていたと思われる。問いは客観性を持ち、人に伝えられるものでなければならない。

問いは普遍性があるといい。構想発表でへこんだ私は、地道な解釈研究をすることにした。同じ哲学者の面白そうな箇所を選び、そこでその哲学者がなにをいわんとしているのか論証する、というものである。その結果、文章の解釈に終始した研究になった。感情や身体をテーマにした文章だったが、それらを深めて考察できなかった。

問いは普遍性と結びついていたほうがよい。普遍性とは、感情と身体の関係とはなにかなど、そのテキストを離れても論ずるに足る性質である。普遍的な問いを立てることで、テキストを読むモチベーションにもなる。私の卒論は、しょうもない問いを立て、書いている本人もいいものができると思わず苦しいし、実際に評価も高くないという結果になった。ただ、学問は小さな問いの積み重ねによって進歩していくものだろう。だが、小さな問いであっても普遍性とどこかで結びついていることが私は重要であると考える。

問いの大きさは、自分の手に負えるものである必要がある。ある学者は修士入学後、壮大な修士論文を書きたいと燃えて、壮大な問いを設定した。その結果、自縄自縛に陥り、一文字も修論が書けず留年したという。身体とは何か、自我とは何かなどの大きな問いは、修士課程ではおろか一生かかっても解けない。レポートや論文で扱う問いは、普遍性を志向しつつも、適切な大きさである必要がある。


◇◆◇――――
4.自分の問いを立てるには
――――――――◆◇◆

自分の問いを立てるにはどうしたらいいのか。梶谷(2018)に依拠して述べる。

問いをたくさん出すことが重要であると梶谷はいう。問いには、5W1Hや比較、反実仮想、是非などのいくつかのパターンがある。それにのっとり、パターン化して問ういてみてもよい。例えば、「自由」について考えたかったら、次のように問える。
 
自由とは何か(what) フランスにおける自由の理念の歴史(where、when) いつから自由という概念は存在するのか(when) なぜ自由は大切なのか(why)自由はどのような場合に制限されるか(which) 自由にはどのような種類はあるのか(which) どのようにふるまえば自由になれるか(how) 自由と不自由の違いは(比較) もし経済的自由がなかったら(反実仮想) 自由であるべきか(是非)
 
数多く問ううちに、自分が考えたい問いが見えてくるかもしれない。また、自分の問いを列挙することで、問いの傾向や嗜好も分かるかもしれない。

自分が問うていることを他者に伝えるのも大事と梶谷は続ける。自分の問いを他者に伝えるための言葉に翻訳することで、問いが整理できる。信頼できる友達や先生、家族、恋人に伝えてみればいいかもしれない。信頼している人と自分の問いを考えることで、安心して自分の考えを深めることができる。一人で考えると大抵たいていろくなことにはならない。

出しゃばった大学院生がいろいろ書いてしまった。

優れた研究をするには、いい問いとの出会いが必要だと思う。いつかあなたに素敵な出会いが訪れたら、教えに来てほしい。

ご健闘を。

 ―――――◆◇◆


【参考書籍・WEBサイト】
梶谷真司『考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門』、幻冬舎、2018
河野哲也『レポート・論文の書き方入門 第4版』、慶應義塾大学出版会、2018
戸田山和久『新版 論文の教室 レポートから卒論まで』、NHKブックス、2012



【筆者紹介】
総合文化研究科M2


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