ぴあサポメルマガ10月号
2017/10/25 (Wed) 21:00
☆★☆―――――――――――――――――
進学選択後の悩み
-進学選択後の息苦しさと進路―
――――★ぴあサポメルマガ10月号★
東大では進学選択という一大イベントがありますね。同期や先輩の話を聞きつつ、過去の体験談を読みつつ、臨んだ人も多いのではないでしょうか。
大学受験の際に進学する学科を事前に選ばなければならない場合ならいざ知らず、大学入学後に“ある程度特定分野を学んだ自分”が選んだ専攻なのだから、その選択には責任感が伴い後悔なんてあるはずもないのだ、と。「忙しい」「ブラック」なんて言葉が所々飛び交うものの、「なんやかんや言っても、今はしたい勉強をする生活でしょ?」と。そんな空気を学部進学後に感じることもあるかもしれません。
けれどその空気にしんどさを感じている人も中にはいるんじゃないでしょうか。実際私の周囲にも大学を中退したり、別の大学に入り直したりした知人がいます。進学選択の前に、成績の問題で悩む人がいるように、進学選択後にだって将来のビジョンが持てなかったり、自分の関心が移動したり、生じた“ズレ”を打ち明ける場がなかったり…そういう問題を抱えこんでしまうことがあってもおかしくない。
そんな進学選択後の悩みというのが今回のテーマです。
■目次■
1.学部が合わない!という問題
2.就職?大学院への進学?
3.さいごに
◆-----
1.学部が合わない!という問題
------◆
「やりたい方向性のことではあったけれど、自分にはどうしても合わないようだ……」、「このまま勉強を進めてどこに行きつくのか自分でも見えてこない」ということはないですか?
(筆者は適性を度外視して、「何となく今やりたい方向性のことはできるはず」と経済学部に進学したために、前期教養時代にマクロ経済系の授業を取らずにやり過ごしてしまったり、大学受験期以降数学の試験で脳内がホワイトアウトする癖が治らないという問題に直面したりしました。2年経って“解けない呪い”は解けましたが、「なぜできない?」と精神的に追い込まれた時間が長くて大変弱りました。)
「合わない、どうしよう」と思ったときでも私の場合周りに相談しにくかったんです。結局のところ努力不足が100%原因なのではないかとも思うし、周囲の友人・知人はしんどいとは感じていなさそう(感じている人はいるかもしれないけれど!)だし。それ以外にも、“決めたのは「高校生の自分」ではなく、「ある程度特定分野を学んだ自分」なのだから学部には適応できて当たり前”という、進学選択のあるこの大学固有の空気があるように感じます。
◆-----
2.就職?大学院への進学?
------◆
同時に持ち上がるのが卒業後の進路の問題。就職するのか、大学院に進むのか。
就職を考えるなら、合わない学部の勉強はほどほどでも、と思うかもしれません。一部の資格制の職業以外は特定の学問分野の知識を必要としない職種も多いですね。ただほどほどの“研究”以外にも熱く分厚く語れる“打ち込んだこと”を用意しておく必要はあるかもしれません。
“他の分野の勉強をしたいから現在の所属学部と違う専攻の院を目指す”というのも一つの選択肢です。第二の進学選択とも言えるかもしれません。
「今就職活動をしても悔いが残りそう」、「このままでは自分で納得のいく仕事に付けないかもしれないから」と考えて進学を決める人もいるでしょう。極端な人は「就職したくないから大学院に行く」と思っているかもしれませんが、進学後に関心のある分野や職業が見つかれば、進学してよかったと思えるはずです。受験段階で具体的な研究テーマまでを決めていなくても院進学後に見つけることは可能なので、将来の選択肢を広げる上では良いかもしれません。
ただし、就職であれ進学であれ注意点が二点。
一つは、「大まかな方向性は決めること」。そうでなければ、エントリーシートや志望理由書、研究計画書が説得力を持たなくなってしまいます。特に専攻を変更したい場合は、自分の専門外の分野の講義を履修したり、履修以外での勉強にも時間を割いて関心の持てる分野を探したりした方が良いでしょう。
もう一つは、「あくまで学部時代の学びを(最低限で良いので)卒なくこなすこと」。「苦手なりに、ある程度は克服した」、「学部時代に自分はこの分野を掘り下げた」と示せるような、一貫性のある履修を心掛けましょう。楽だと言われる授業や、友人がたくさんいる授業ばかりを選んでも、関心は湧きづらいと思います。それに過去の履修と成績に教授は受験者の性格を見るでしょうから。
◆-----
3.最後に
------◆
私自身は進学選択の後に別の分野に関心を移して、苦手分野である学部の勉強の克服と興味のある分野の勉強を少しずつしています。反省点は多いなりに、後悔はしていないかなと思います。
「合わないとか、他のことがやりたいというのはただの逃げなんじゃないか」とか「時間が解決してくれるんじゃないか」とか考えることもあるかと思います。けれど「自分は適応できる」と暗示をかけても齟齬は生じてくるかもしれません。適応しようと努力することも勿論大切ですが、それでも合わないと感じたとき、その“合わなさ”こそが自分がやりたいことを探すきっかけになるはずです。少なくとも自分に嘘をついたり無理をしたりするのは一度やめて、何がやりたいことなのか考える時間を持てると良いですね。
【著者紹介】
文二から経済学部に進学したせっかちさん。せっかちが度を越して、一人で小旅行に行った時の移動は常に小走り、食事の際の咀嚼回数も少なく、果ては「呼吸が浅すぎて、身体が休まっていない」と指摘を受ける始末。
腹式呼吸って思いのほか大事なものらしいです。
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進学選択後の悩み
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東大では進学選択という一大イベントがありますね。同期や先輩の話を聞きつつ、過去の体験談を読みつつ、臨んだ人も多いのではないでしょうか。
大学受験の際に進学する学科を事前に選ばなければならない場合ならいざ知らず、大学入学後に“ある程度特定分野を学んだ自分”が選んだ専攻なのだから、その選択には責任感が伴い後悔なんてあるはずもないのだ、と。「忙しい」「ブラック」なんて言葉が所々飛び交うものの、「なんやかんや言っても、今はしたい勉強をする生活でしょ?」と。そんな空気を学部進学後に感じることもあるかもしれません。
けれどその空気にしんどさを感じている人も中にはいるんじゃないでしょうか。実際私の周囲にも大学を中退したり、別の大学に入り直したりした知人がいます。進学選択の前に、成績の問題で悩む人がいるように、進学選択後にだって将来のビジョンが持てなかったり、自分の関心が移動したり、生じた“ズレ”を打ち明ける場がなかったり…そういう問題を抱えこんでしまうことがあってもおかしくない。
そんな進学選択後の悩みというのが今回のテーマです。
■目次■
1.学部が合わない!という問題
2.就職?大学院への進学?
3.さいごに
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1.学部が合わない!という問題
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「やりたい方向性のことではあったけれど、自分にはどうしても合わないようだ……」、「このまま勉強を進めてどこに行きつくのか自分でも見えてこない」ということはないですか?
(筆者は適性を度外視して、「何となく今やりたい方向性のことはできるはず」と経済学部に進学したために、前期教養時代にマクロ経済系の授業を取らずにやり過ごしてしまったり、大学受験期以降数学の試験で脳内がホワイトアウトする癖が治らないという問題に直面したりしました。2年経って“解けない呪い”は解けましたが、「なぜできない?」と精神的に追い込まれた時間が長くて大変弱りました。)
「合わない、どうしよう」と思ったときでも私の場合周りに相談しにくかったんです。結局のところ努力不足が100%原因なのではないかとも思うし、周囲の友人・知人はしんどいとは感じていなさそう(感じている人はいるかもしれないけれど!)だし。それ以外にも、“決めたのは「高校生の自分」ではなく、「ある程度特定分野を学んだ自分」なのだから学部には適応できて当たり前”という、進学選択のあるこの大学固有の空気があるように感じます。
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2.就職?大学院への進学?
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同時に持ち上がるのが卒業後の進路の問題。就職するのか、大学院に進むのか。
就職を考えるなら、合わない学部の勉強はほどほどでも、と思うかもしれません。一部の資格制の職業以外は特定の学問分野の知識を必要としない職種も多いですね。ただほどほどの“研究”以外にも熱く分厚く語れる“打ち込んだこと”を用意しておく必要はあるかもしれません。
“他の分野の勉強をしたいから現在の所属学部と違う専攻の院を目指す”というのも一つの選択肢です。第二の進学選択とも言えるかもしれません。
「今就職活動をしても悔いが残りそう」、「このままでは自分で納得のいく仕事に付けないかもしれないから」と考えて進学を決める人もいるでしょう。極端な人は「就職したくないから大学院に行く」と思っているかもしれませんが、進学後に関心のある分野や職業が見つかれば、進学してよかったと思えるはずです。受験段階で具体的な研究テーマまでを決めていなくても院進学後に見つけることは可能なので、将来の選択肢を広げる上では良いかもしれません。
ただし、就職であれ進学であれ注意点が二点。
一つは、「大まかな方向性は決めること」。そうでなければ、エントリーシートや志望理由書、研究計画書が説得力を持たなくなってしまいます。特に専攻を変更したい場合は、自分の専門外の分野の講義を履修したり、履修以外での勉強にも時間を割いて関心の持てる分野を探したりした方が良いでしょう。
もう一つは、「あくまで学部時代の学びを(最低限で良いので)卒なくこなすこと」。「苦手なりに、ある程度は克服した」、「学部時代に自分はこの分野を掘り下げた」と示せるような、一貫性のある履修を心掛けましょう。楽だと言われる授業や、友人がたくさんいる授業ばかりを選んでも、関心は湧きづらいと思います。それに過去の履修と成績に教授は受験者の性格を見るでしょうから。
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3.最後に
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私自身は進学選択の後に別の分野に関心を移して、苦手分野である学部の勉強の克服と興味のある分野の勉強を少しずつしています。反省点は多いなりに、後悔はしていないかなと思います。
「合わないとか、他のことがやりたいというのはただの逃げなんじゃないか」とか「時間が解決してくれるんじゃないか」とか考えることもあるかと思います。けれど「自分は適応できる」と暗示をかけても齟齬は生じてくるかもしれません。適応しようと努力することも勿論大切ですが、それでも合わないと感じたとき、その“合わなさ”こそが自分がやりたいことを探すきっかけになるはずです。少なくとも自分に嘘をついたり無理をしたりするのは一度やめて、何がやりたいことなのか考える時間を持てると良いですね。
【著者紹介】
文二から経済学部に進学したせっかちさん。せっかちが度を越して、一人で小旅行に行った時の移動は常に小走り、食事の際の咀嚼回数も少なく、果ては「呼吸が浅すぎて、身体が休まっていない」と指摘を受ける始末。
腹式呼吸って思いのほか大事なものらしいです。
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