ぴあサポメルマガ11月号【ストレスを整理してとらえよう】
2017/11/27 (Mon) 14:46
☆★☆―――――――――――――
心にもやもやを感じたら(1)
~ストレスを整理してとらえよう~
―――★ぴあサポメルマガ11月号★
この頃は秋も深まり、肌寒い日が増えてきました。みなさんお変わりありませんか。
秋晴れや紅葉などでお出かけが楽しい季節ですが、体調管理にも気を付けたいです。お体の調子が優れないときにはぜひ、ゆっくり休んでください。
お節介ながら、筆者は「このご時世、心にもやもやしたものを抱えている人は多いのでは」と思っています。そこで、今月は「ストレス」を整理して理解する方法について記事を書きました。参考にして頂ければ幸いです。
■目次■
1.「ストレス」のことを知ろう
2.「ストレス」には、「原因」と「結果」がある
3.「ストレス」を整理して、書き出してみよう
4.おわりに
◇◆◇―――
1.「ストレス」のことを知ろう
―――◆◇◆
冒頭にもある通り今回は対処法そのものではなく、「ストレスを理解する」方法をご紹介します。
というのも、自分の「ストレス」を理解しておくことは、どんな対処法を取る上でも大切だからです。対策を考えるのも、実行するのも結局全て自分なので、自分の気持ちに偽りなく「ストレス」対処に臨める方がいいはずです。
しかし、自分の心と「ストレス」の全容がうまく見えないこともあると思います。
「何か気分がもやもやしているけど、それが何なのかわからない。」と筆者もよく思います。
こんなとき、「ストレス」を理解する枠組みがあると役に立つかもしれません。これからその一つをご紹介します。
◇◆◇―――
2.「ストレス」には、「原因」と「結果」がある
―――◆◇◆
「ストレス」という言葉が意味するものは意外に曖昧で、「ストレスの原因」と「結果」が区別されていません。ここでは両者の違いに注目してみましょう。
まず、以下の2つの例を見てください。
「あの信号、いつも待たされて本当にストレスだ。」
→「ストレス」=「信号」
「この頃本当にストレスを感じる。よく眠れない。」
→「ストレス」=「不安、もやもや」
初めの文では嫌な気分の「原因」、後の文では嫌なことの「結果」や私たちの「反応」を指して「ストレス」と言っています。しかし、私たち自身心の中で両者の区別をつけていない時もあります。
上の例では、「信号に待たされている人」は自分の気持ちや行動について何も言っていません。例えば、本人も気づかず「怒り」「いらいら」を感じ、「足踏み」や「時計を見る」といった行動をしているかもしれません。
一方「ストレスで眠れない人」は、「不安、もやもや」の「原因」を語っていません。数日後のテストや、昨日の友達との喧嘩など辛いことが重なり、心に影を落としているのかもしれません。
このように、「原因」と「結果」が何かを考えることで、両者のつながりが意外な形で見えることがあり、理解が深まります。
◇◆◇―――
3.「ストレス」を整理して、書き出してみよう
―――◆◇◆
「ストレス」には「原因」と「結果」の両面があります。このうち「結果(ストレス反応)」はさらに4つの項目に分類できます。
1)気分・感情
短い言葉で表されるような心の状態。
例)「うれしい」「悲しい」「怒り」「脱力感」
2)認知
頭の中に浮かぶ考え、情景など。
例)「時間に遅れそう」「もうすぐ信号が青になりそう」
3)身体反応
体調の変化、生理的な反応。
例)「心臓が高鳴る」「熱が出る」「おなかが痛くなる」
4)行動
(ほかの人から見てわかる)動きや発言。
例)「時計を何度も見る」「しかめ面をする」「はや歩きする」
一つ例を出します。
「明日までの宿題が終わらない。つらいけど、量が多いので徹夜で終わらせるしかなさそうだ。眠くて頭が鈍っているなか、やり遂げられるか不安だが、とりあえず手を動かそう」
なんかリアルな例ですね…。筆者も体験したことがあります。
「大量の宿題が残っている」というのが「原因」です。「結果、反応」は以下のようになります。
1)気分・感情
「つらい」「不安」
2)認知
「大量の宿題が残っている」「徹夜で終わらせるしかない」「やり遂げられないかも」
3)身体反応
「眠気」「頭の鈍り」
4)行動
「宿題に取り組む」「徹夜する」
以上です。表にすると、要素のつながりがわかりやすくなった気がしませんか?
この人は「宿題を終わらせる」ことを意識しているうちに、「やり遂げられない」という不安や、睡眠不足と疲労の問題にも悩まされているのでしょう。このように、第2第3の「もやもや」が発生し心身に影響してしまう、ということは珍しくありません。
「ストレス」を書き出し整理すると、こうした要素の関連や未知の問題に気づくことがあります。表にして可視化できれば安心ですし、対処法を考えやすくもなるのです。
◇◆◇―――
4.おわりに
―――◆◇◆
ストレスを「原因」と4つの「結果」に整理して理解する方法をご紹介しました。些細なことかもしれませんが、みなさまのお助けになれば幸いです。
続きについては来月号で配信しますので、不束ながら次回もよろしくお願いします。
また、2回分の記事をピアサポートルームのwebサイトにて先行公開しますので、すぐに続きを知りたい方は以下のリンクをご参照ください。
http://ut-psr.net/mail-magazine/2017-december/
【参考書籍】
伊藤絵美 著 「ケアする人も楽になる 認知行動療法BOOK1」
【筆者紹介】
とある理学部の4年。ストレス耐性なし。些細なことで傷みやすく、おだてると簡単に喜ぶ。扱いは容易。
【ピアサポートルームのWebサイト/Twitterの紹介】
活動カレンダーや活動内容が載っています。ぜひアクセス&フォローしてください!
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【ご意見、ご感想をお待ちしています】
みなさまの声をお待ちしております。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdZTkoPn5fyhqNADtsDYzM6bWWSJs2HseQO0gK6DpH0QGWwxg/viewform?c=0&w=1
までご意見ご感想をどしどしお寄せください♪(配信システムの都合で短縮できず…お手数をおかけします)
*-*-*-*-*-*
東京大学学生相談ネットワーク本部ピアサポートルーム
[WEB] http://dcs.adm.u-tokyo.ac.jp/psr/
[学生の作るWEBサイト] http://ut-psr.net/
[Email] mail@utpsr.net [Tel] 03-5841-2632
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心にもやもやを感じたら(1)
~ストレスを整理してとらえよう~
―――★ぴあサポメルマガ11月号★
この頃は秋も深まり、肌寒い日が増えてきました。みなさんお変わりありませんか。
秋晴れや紅葉などでお出かけが楽しい季節ですが、体調管理にも気を付けたいです。お体の調子が優れないときにはぜひ、ゆっくり休んでください。
お節介ながら、筆者は「このご時世、心にもやもやしたものを抱えている人は多いのでは」と思っています。そこで、今月は「ストレス」を整理して理解する方法について記事を書きました。参考にして頂ければ幸いです。
■目次■
1.「ストレス」のことを知ろう
2.「ストレス」には、「原因」と「結果」がある
3.「ストレス」を整理して、書き出してみよう
4.おわりに
◇◆◇―――
1.「ストレス」のことを知ろう
―――◆◇◆
冒頭にもある通り今回は対処法そのものではなく、「ストレスを理解する」方法をご紹介します。
というのも、自分の「ストレス」を理解しておくことは、どんな対処法を取る上でも大切だからです。対策を考えるのも、実行するのも結局全て自分なので、自分の気持ちに偽りなく「ストレス」対処に臨める方がいいはずです。
しかし、自分の心と「ストレス」の全容がうまく見えないこともあると思います。
「何か気分がもやもやしているけど、それが何なのかわからない。」と筆者もよく思います。
こんなとき、「ストレス」を理解する枠組みがあると役に立つかもしれません。これからその一つをご紹介します。
◇◆◇―――
2.「ストレス」には、「原因」と「結果」がある
―――◆◇◆
「ストレス」という言葉が意味するものは意外に曖昧で、「ストレスの原因」と「結果」が区別されていません。ここでは両者の違いに注目してみましょう。
まず、以下の2つの例を見てください。
「あの信号、いつも待たされて本当にストレスだ。」
→「ストレス」=「信号」
「この頃本当にストレスを感じる。よく眠れない。」
→「ストレス」=「不安、もやもや」
初めの文では嫌な気分の「原因」、後の文では嫌なことの「結果」や私たちの「反応」を指して「ストレス」と言っています。しかし、私たち自身心の中で両者の区別をつけていない時もあります。
上の例では、「信号に待たされている人」は自分の気持ちや行動について何も言っていません。例えば、本人も気づかず「怒り」「いらいら」を感じ、「足踏み」や「時計を見る」といった行動をしているかもしれません。
一方「ストレスで眠れない人」は、「不安、もやもや」の「原因」を語っていません。数日後のテストや、昨日の友達との喧嘩など辛いことが重なり、心に影を落としているのかもしれません。
このように、「原因」と「結果」が何かを考えることで、両者のつながりが意外な形で見えることがあり、理解が深まります。
◇◆◇―――
3.「ストレス」を整理して、書き出してみよう
―――◆◇◆
「ストレス」には「原因」と「結果」の両面があります。このうち「結果(ストレス反応)」はさらに4つの項目に分類できます。
1)気分・感情
短い言葉で表されるような心の状態。
例)「うれしい」「悲しい」「怒り」「脱力感」
2)認知
頭の中に浮かぶ考え、情景など。
例)「時間に遅れそう」「もうすぐ信号が青になりそう」
3)身体反応
体調の変化、生理的な反応。
例)「心臓が高鳴る」「熱が出る」「おなかが痛くなる」
4)行動
(ほかの人から見てわかる)動きや発言。
例)「時計を何度も見る」「しかめ面をする」「はや歩きする」
一つ例を出します。
「明日までの宿題が終わらない。つらいけど、量が多いので徹夜で終わらせるしかなさそうだ。眠くて頭が鈍っているなか、やり遂げられるか不安だが、とりあえず手を動かそう」
なんかリアルな例ですね…。筆者も体験したことがあります。
「大量の宿題が残っている」というのが「原因」です。「結果、反応」は以下のようになります。
1)気分・感情
「つらい」「不安」
2)認知
「大量の宿題が残っている」「徹夜で終わらせるしかない」「やり遂げられないかも」
3)身体反応
「眠気」「頭の鈍り」
4)行動
「宿題に取り組む」「徹夜する」
以上です。表にすると、要素のつながりがわかりやすくなった気がしませんか?
この人は「宿題を終わらせる」ことを意識しているうちに、「やり遂げられない」という不安や、睡眠不足と疲労の問題にも悩まされているのでしょう。このように、第2第3の「もやもや」が発生し心身に影響してしまう、ということは珍しくありません。
「ストレス」を書き出し整理すると、こうした要素の関連や未知の問題に気づくことがあります。表にして可視化できれば安心ですし、対処法を考えやすくもなるのです。
◇◆◇―――
4.おわりに
―――◆◇◆
ストレスを「原因」と4つの「結果」に整理して理解する方法をご紹介しました。些細なことかもしれませんが、みなさまのお助けになれば幸いです。
続きについては来月号で配信しますので、不束ながら次回もよろしくお願いします。
また、2回分の記事をピアサポートルームのwebサイトにて先行公開しますので、すぐに続きを知りたい方は以下のリンクをご参照ください。
http://ut-psr.net/mail-magazine/2017-december/
【参考書籍】
伊藤絵美 著 「ケアする人も楽になる 認知行動療法BOOK1」
【筆者紹介】
とある理学部の4年。ストレス耐性なし。些細なことで傷みやすく、おだてると簡単に喜ぶ。扱いは容易。
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