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ぴあサポメルマガ12月号

2018/12/28 (Fri) 22:11
☆★☆―――――――――――――――
人間は根源的に支えあう生き物なのか?
 ~人が持つ「利他性」という性質~
―――――★ぴあサポメルマガ12月号★

 何かのドラマで、「人という字は人と人とが支え合ってできている」、みたいなセリフがあったような気がします。人間の本質を「助け合う人」と規定したともとれるセリフですね(?)。このように、我々は助け合って生きている気がしますが、なぜ人はそもそも人を助けるのでしょうか?人間は根源的に支えあう生き物とでも言うのでしょうか?みんなが助け合う支えあいのキャンパスを目指していく為にも、こういった根本的な事を知れたら嬉しいかもしれません。今月はそんな、人と人とが助け合う「利他性」について考えていきたいと思います。

■目次■
1.生物の行う利他行動
2.人間の行う利他行動
3.利他行動をさせる仕組みの例
4.終わりに


◇◆◇―――――――――
1.生物の行う利他行動
―――――――――◆◇◆
 我々は、人間である前に生物の一種です。その意味では、ミミズだってオケラだってアメンボだってみんな人間と同じ仲間です。
 ここで、一階層上の視点から、生物が行う利他行動について考えて見ましょう。生物の根源的目的は何か?生物学者のリチャード・ドーキンスによると、「生物は自己の遺伝子保存の為の機械である」としています。生物学的に見ると、我々は遺伝子を存続させる為の乗り物に過ぎないという事です。このような、遺伝子の乗り物が利他的行動を取る事はあり得るのでしょうか?
 身近な生物としてハチを例にとり考えて見ましょう。ハチは社会的な動物であり、女王バチの為に他のハチがすべてを尽くす構造になっています。働きバチは子どもを作ることもできず、ただただ、女王バチを中心とした社会の為に働き続けるのです。これは利他的行動に見えます。しかしこの利他行動も遺伝子の視点からすると、働きバチ個人の利益として考える事が出来ます。働きバチ自身は子どもを作れなくても、自分に極めて近い遺伝子を持つ女王バチに子孫を残してもらう事により自分の遺伝子の保存を行うのです。このように、生物は利他的な行動を行います。そして、それは自身の遺伝子を後世に残す為でもあるのです。

◇◆◇―――――――
2.人間の行う利他行動
―――――――◆◇◆
 人が行う利他行動についてはどうでしょうか?血縁関係にある人同士の利他行動は、同じように、遺伝子保存として説明する事ができます。自分の親族を助ける事は、似た遺伝子を保存する事に繋がるという事です。
 しかし、人間は遺伝子的にはあまり関係が無い赤の他人を助ける事があります。これを説明するのが「互恵的利他行動」の理論です。人を助けた時、後から同じだけ返してもらえれば損はしないですし、困ったときに支えあう優しい世界の出来上がりです。このような、お互いの利益になる利他行動を互恵的利他行動と言います。
 この世界は幸せですが、残念ながら、フリーライダーの発生と共に消滅させられます。フリーライダーは、利益を得るだけでお返しを全くしない人の事を言います。このような人々は、何もせずに利益だけを享受していき、やがて数を増やし、互恵的利他行動の社会は崩壊します。支えあう社会を作る為には、何かしらの方法で支えない人に対処しなければならないのです。
 人間はこのようなフリーライダーを防ぐ仕組みを作り上げてきました。評判もその一つです。ある人が利己的であるという情報が皆に知られていると、その人の周りの人は、利他的行動を行ってあげる頻度は減っていきます。すると、最終的に得られる不利益を被る事になりフリーライダーは減少していきます。このような評判の社会では、利己的な人が利他的に見せ、利他的な人は利己的な人間を見破るという騙しあいが発生していく様に思えます。しかし、このような状況を打破する方向へ人類進化は進んでいるようで、遥か昔から繰り返してきた騙しあいの歴史を経て、裏切り者を見破る力を進化的に獲得していたと考えられています。

◇◆◇―――――――――
3.利他行動をさせる仕組みの例
―――――――――◆◇◆
 皆が協力的な行動をし、支えあう社会は理想的であり、そこに属する人々が得られる利益はとても大きいです。しかし、見知らぬ人に対していきなり協力するというのも、その人が逆に自分に協力してくれるのかわからない事や、協力しない人に対して何かしらのペナルティがあるわけではないという事がハードルになり難しいものになってしまいそうです。これらを乗り越えて互助システムを形成するのは、色々困難が付きまとわりそうですが、人類は様々な仕組みを作り上げる事でこれらの問題を克服していきました。ここでは、支えあいに繋がる面白い仕組みを保持している南スーダンのヌエル族について紹介します。
 ヌエルの人々は、かなり複雑な名前の仕組みを持っていて、これが互恵的利他関係のある組織を作り出す事に繋がっています。日本人も名字というものを持っていて、自分の父型の出自が何であるかを宣言しながら生活を行っていますが、ヌエルの人々の場合はこれを遥かに超える高度な情報を保持しています。彼らの名前は、自分の名前の後に「父」、「祖父」、「曾祖父」、「曾祖父の父」、「曾祖父の父の父」という風に自分の父系の祖先を辿る事によって表現されます。彼らは、自分の祖先を遥か先まで覚えているのです。 
 ヌエルの人々が、見知らぬ人と会った時の典型的な挨拶として、祖先辿りというものが行われます。お互いの先祖を確認する作業です。これを行う事で、この見知らぬ人は、自分とどういう親族関係にあるのかを把握する事ができるのです(少なくとも6世代以上覚えている為、知らない人でも、どこかの段階で共通の祖先にあたる)。このような仕組みと、親族同士は支えあうという規範の存在から、人々が流動的になっている現代の状況においても彼らは、強固な互助システムを構築しています。 世界中で至るところで遥か昔から、支えあいの仕組みは構築されており、このような互恵的な仕組みは人類にとってある程度普遍的な物と言っても良いかもしれません。

◇◆◇――――――――
4.終わりに
――――――――◆◇◆
 利他的な行動をする事で生物として利得が得られるというのも正しいようですが、最近の研究によると、これらの進化の結果からか、人類は他者に親切にする事自体を報酬と感じるようになっている事が示されているそうです。その背後には色々な進化の過程があったのかもしれませんが、人は利他的な生き物ではあると言っていいのかもしれません。
 うまくこの「利他性」を利用していけば、みんなが支えあう理想的な社会を作る事も可能かもしれませんね!

【参考書籍】
小田 亮(2011)『利他学』新潮選書
中丸 麻由子(2011)『進化するシステム』ミネルヴァ書房
橋本 栄莉(2018)『エ・クウォス 南スーダン・ヌエル社会における予言と受難の民族誌』九州大学出版会
リチャード・ドーキンス(2006)『利己的な遺伝子 増補新装版』紀伊国屋書店
リチャード・ドーキンス(2014)『進化とは何か ドーキンス博士の特別講義』早川書房

【筆者紹介】
新領域創成科学研究科修士一年
自分が何者だか最近よくわからなくなっている。

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