ぴあサポメルマガ6月号~“多様性”がもたらす恩恵~
2019/07/02 (Tue) 15:02
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多様な人々があつまる意義は?
~“多様性”がもたらす恩恵~
―――――★ぴあサポメルマガ6月号★
春学期の半分が終わり、中間テストやレポートに追われる季節がやってきましたね。中には、グループワークで最終課題をする授業もあったりするのではないでしょうか。そんな時、なんでそもそもみんなでやる必要があるのか、全部自分で決めてやった方が、良いんじゃないかみたいな事思ったりしませんか?(自分は良く思います)今月は、そんな人々が色々な意見を持つ「多様性」をテーマに考えていきたいと思います。
■目次■
1.多様性による恩恵
2.多様性がもたらす悪影響
3.終わりに
◇◆◇―――――――――
1.多様性による恩恵
―――――――――◆◇◆
まずは、多様な人々が集まることで、どの様に問題を解決する事ができるか。という事を考えていきましょう。仮に、問題が幅広い知識が必要ならその答えは簡単です。皆が、別々の知識を持っていればそれをつなぎ合わせる事で問題解決につながります。まず単純に、このような情報の統合の意味で多様性は価値を発揮します。しかし、問題解決には単純な知識以外も必要です。個々の人が異なれば、問題へのアプローチ法や何を重視するのかの観点も異なります。ある所でつまずいた時に、他の人の持つ方法を試すことで最適な解を見つける事ができるのです。現実の例として、1999年に行われたチェスの世界チャンピオンと約五万人のグループとでの対決を挙げます。この時、一手に二日間をかけ、グループで投票し次の手を決めるという事を行いました。結果は、五万人のグループの方が負けてしまったのですが、かなりの接戦であり、多様な人々が個人以上の力を出した例と言えます。
◇◆◇―――――――――
2.多様性のもたらす悪影響
―――――――――◆◇◆
多様性が良い結果をもたらす一方で、人々の持つ多様な好みは、時として問題を引き起こします。目的が同じであれば前節で述べた通り多様性は純粋に恩恵をもたらすのですが、好みが異なるとその目標も異なってきます。そのような中で、考えられる問題の一つは、多様な好みを持つ人々間では合意の形成が難しいという事です。好みが異なる中では、利益の相反が起き、自分の意思決定を通す為にチーム内での騙しあいが起こる可能性もあります。そもそも、原理的に公平な集団的意思決定法というものは存在しない事が知られており、いかような結果にもなりえます。また、多様性のもたらす分配の減少も悪影響の一つです。一様な個人ではなく、多様な人々が各々の好みを持っていると、すべての人々を幸せにするためにはその分必要な資源多くなります。好みが似ていれば、皆が幸せになる分配をしやすくなりますが多様性はそれを否定します。
◇◆◇――――――――
3.終わりに
――――――――◆◇◆
以上までの話の中で、多様性について少し深めに考えてみましたが。多様性はより良い結果を導き出す可能性を含んでいるのは間違いないでしょう。異なる好みを持つ集団での悪影響も上げましたが、実は異なる好みを持つ人との関わりを通じて新たな観点で物を見る事ができるようになるかもしれません。多様な人々がいる事の強みを生かしていける世の中になっていったら良いですよね!
【参考書籍】
スコット・ペイジ(2009)『「多様な意見」はなぜ正しいか』日経BP社
西垣 通(2013)『集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ』中公新書
【筆者紹介】
新領域創成科学研究科修士二年
新領域を創成している。
【ピアサポートルームのWebサイト/Twitterの紹介】
活動カレンダーや活動内容が載っています。ぜひアクセス&フォローしてください!
☆Webサイト:http://ut-psr.net/
☆Twitter:@utpsr
【ご意見、ご感想をお待ちしています】
みなさまの声をお待ちしております。
dcs-peer.adm@gs.mail.u-tokyo.ac.jpまでご意見ご感想をどしどしお寄せください!
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東京大学学生相談ネットワーク本部ピアサポートルーム
[URL] http://dcs.adm.u-tokyo.ac.jp/psr/
[Tel] 03-5841-2632
[Email] dcs-peer.adm@gs.mail.u-tokyo.ac.jp
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多様な人々があつまる意義は?
~“多様性”がもたらす恩恵~
―――――★ぴあサポメルマガ6月号★
春学期の半分が終わり、中間テストやレポートに追われる季節がやってきましたね。中には、グループワークで最終課題をする授業もあったりするのではないでしょうか。そんな時、なんでそもそもみんなでやる必要があるのか、全部自分で決めてやった方が、良いんじゃないかみたいな事思ったりしませんか?(自分は良く思います)今月は、そんな人々が色々な意見を持つ「多様性」をテーマに考えていきたいと思います。
■目次■
1.多様性による恩恵
2.多様性がもたらす悪影響
3.終わりに
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1.多様性による恩恵
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まずは、多様な人々が集まることで、どの様に問題を解決する事ができるか。という事を考えていきましょう。仮に、問題が幅広い知識が必要ならその答えは簡単です。皆が、別々の知識を持っていればそれをつなぎ合わせる事で問題解決につながります。まず単純に、このような情報の統合の意味で多様性は価値を発揮します。しかし、問題解決には単純な知識以外も必要です。個々の人が異なれば、問題へのアプローチ法や何を重視するのかの観点も異なります。ある所でつまずいた時に、他の人の持つ方法を試すことで最適な解を見つける事ができるのです。現実の例として、1999年に行われたチェスの世界チャンピオンと約五万人のグループとでの対決を挙げます。この時、一手に二日間をかけ、グループで投票し次の手を決めるという事を行いました。結果は、五万人のグループの方が負けてしまったのですが、かなりの接戦であり、多様な人々が個人以上の力を出した例と言えます。
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2.多様性のもたらす悪影響
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多様性が良い結果をもたらす一方で、人々の持つ多様な好みは、時として問題を引き起こします。目的が同じであれば前節で述べた通り多様性は純粋に恩恵をもたらすのですが、好みが異なるとその目標も異なってきます。そのような中で、考えられる問題の一つは、多様な好みを持つ人々間では合意の形成が難しいという事です。好みが異なる中では、利益の相反が起き、自分の意思決定を通す為にチーム内での騙しあいが起こる可能性もあります。そもそも、原理的に公平な集団的意思決定法というものは存在しない事が知られており、いかような結果にもなりえます。また、多様性のもたらす分配の減少も悪影響の一つです。一様な個人ではなく、多様な人々が各々の好みを持っていると、すべての人々を幸せにするためにはその分必要な資源多くなります。好みが似ていれば、皆が幸せになる分配をしやすくなりますが多様性はそれを否定します。
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3.終わりに
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以上までの話の中で、多様性について少し深めに考えてみましたが。多様性はより良い結果を導き出す可能性を含んでいるのは間違いないでしょう。異なる好みを持つ集団での悪影響も上げましたが、実は異なる好みを持つ人との関わりを通じて新たな観点で物を見る事ができるようになるかもしれません。多様な人々がいる事の強みを生かしていける世の中になっていったら良いですよね!
【参考書籍】
スコット・ペイジ(2009)『「多様な意見」はなぜ正しいか』日経BP社
西垣 通(2013)『集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ』中公新書
【筆者紹介】
新領域創成科学研究科修士二年
新領域を創成している。
【ピアサポートルームのWebサイト/Twitterの紹介】
活動カレンダーや活動内容が載っています。ぜひアクセス&フォローしてください!
☆Webサイト:http://ut-psr.net/
☆Twitter:@utpsr
【ご意見、ご感想をお待ちしています】
みなさまの声をお待ちしております。
dcs-peer.adm@gs.mail.u-tokyo.ac.jpまでご意見ご感想をどしどしお寄せください!
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東京大学学生相談ネットワーク本部ピアサポートルーム
[URL] http://dcs.adm.u-tokyo.ac.jp/psr/
[Tel] 03-5841-2632
[Email] dcs-peer.adm@gs.mail.u-tokyo.ac.jp
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